11月も終わりですね。師走に向けて慌しくなってきました。
来年に向けて、少しグローバルな視点で大前さんの本を読んでみました。
私はこの方が「平成維新」を唱え始めた25年程前に何度かセミナーに参加させていただきました。早くから道州制の考えを持っていますが、いまだ日本で出来ないのは残念です。
今回久しぶりに大前さんの著書(といってもプレジデントのコラム)を手に取ったのは、グローバルな視点で日本の目指すところを再確認したかったからです。
ここからはネタばれありの私の感想です。
全体的に2013後半から2014前半のコラムなので内容が古い。この時期に出すのであればある程度加筆修正が必要であると感じました。
しかし、中盤からのエネルギー政策の部分から面白くなってきた。
結論から言うと日本のベストなエネルギーミックスを考えると現状はやはり原発を再稼動させることでベースの電力を確保することが現実的である。太陽光・風力などの再生可能エネルギーは現実的に10%位が限界だし、液化天然ガス(LNG)はガスを液化して輸入するために欧米に比べて4~5倍のコスト高になっている。また、話題のシェールガスに関しては日本がアメリカから輸入するにしても設備が整っていないし、ガスを液化するためにコスト高になってしまう。
シェールガスにより原油価格が下がってきているので、当分の間は火力発電がメインで原子力を戻しつつ、次世代に向けてロシアからのパイプラインでシェールガスを輸入したり、日本も採掘をすることで自活に向かえればエネルギーコストの増加による貿易赤字も解消され、新たなベストミックスの道が開けてくるものと思われます。
再生可能エネルギー(自然エネルギー)を最大限に活用するために、日本の電力産業は「発電」「送電」「配電」「原子力事業」に分けて、「蓄電」技術を更に進化させることで電気を効率よく使うことが出来るでしょう。
次に面白かったのは「自民党政権の本質」の部分です。「官僚主導」の政治を作り上げ、外交は文書を残さない「密約ベース」にすることにより政権が移って「政治主導」にしたり、外交も独自の路線をとろうとしても、相手の国にとっては「密約」を覆されただけで怒りを買う外交になってしまった。特に尖閣問題は田中角栄が「棚上げ」したはずなのに日本が蒸し返してしまったので不信感が始まったといっても過言ではない。
最後に「北朝鮮」の問題。金体制はもう限界に来ていて長続きしないだろうという予測である。韓国の思惑は南北統一で人口を増やしてG20からG7の枠への経済成長を狙っていたり、中国は工業地帯の進出を狙っていたり、ロシアは北朝鮮の労働力を狙っていたり思惑はそれぞれだ。日本だけ「蚊帳の外」にならないように願う。